ぺるとの評価・口コミ
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▼抽出方法/点てている感触は・・・
33g/300cc。ナイスカットミルの「3」で挽き、93℃程度の高めの温度で抽出する。
煎りが浅いため、ネル布は鶴岡のコフィアのものを使用。
エキスの伸びが非常に素晴らしく、当初は240ccくらいを採り終えたところでサーバから外したのだが、その後にネルフィルターから滴ってくる抽出液からもまだ味が抜けていなかったので、急遽抽出を延長したという経緯がある。
300㏄を超えたあたりでようやくエキスが抜けてきたのでサーバから外したのだが、その後の抽出液を飲んでみても渋味や青臭さなどが出ていない。
非常に良い焙煎が施されていることが、飲むまでもなくこの時点でわかる。
▼鼻で嗅ぐと・・・
穀物系の爽やかな酸味を帯びた甘い香り。特にカップと液面の縁のあたり(半乾きになっているあたり)を嗅ぎ込むと、さらに豊かな甘い香りが立つ。
黒糖や蜂蜜のように癖のある香りではない、もっとサラリとした質感の香りで、強いて例えるなら「水飴のよう」と表現するのが適切だろうか。
▼口に含むと・・・
舌全面に透明感のある甘味がスッと広がり、その甘味の中から仄かに舌を押すような酸味が現れ、やがて穏やかに解けて嫋々と軽くなっていく。
口内で感じる香り、あるいは鼻孔に抜ける香りは、舌で感じる味よりももう少し穀物系の酸味を強く帯びており、香りの酸味に後押しされるように、舌にも酸味が広がるような飲み口。
二口・・・三口・・・と続けざまに飲んでしまうと、口内や鼻孔の香りが抜けきらないうちに次の珈琲液を口に含んでしまうことになり、味わいが少し軽く感じられてしまう。
それよりも一口ずつインターバルを空けて、余韻が少し軽くなってきたタイミングで次の一口を求めた方が、良好な味わいを都度楽しめる。
また飲み方として、珈琲液を口に含んでから軽くタンギングすると酸味が強まり、その対比によって甘味がますます豊かなものに感じられるので、口内に長く留めてしっかりタンギングしてから飲み込み、後味の余韻が薄らいできたあたりで次の一口を口に含むのが良いだろう。
重箱の隅を突くような瑕疵だが、珈琲液を飲み込んでから1分くらい経った時に、大豆の茹で汁のような青臭さが口内に僅かに残るのが残念。
▼60℃くらいに冷めてくると・・・
冷めても渋味や明瞭な青臭さは出ず、珈琲液を舌に乗せた時から甘味が舌に付くようになるのだが、甘味の質としては熱い時のような繊細な甘味ではなく、もう少し粗野な癖のある甘みになってくる。
和三盆糖と黒糖の違い、と言うとわかりやすいだろうか。
そのため味としての品の良さが少し損なわれてしまうように思う。
また冷めることで必然的に香りの立ちが弱まってしまうこともあり、この珈琲は舌に乗せた時にある程度暖かみを感じる、50℃くらいまでの温度帯で飲み切ってしまった方が良いだろう。
▼評価の内訳・・・
(1).悪い味がしないこと/焙煎が失敗していないこと
①コゲ臭/青臭さ/異臭のなさ:4
②渋味・エグミ・粘膜への刺激のなさ:4.5
③【抽出】エキスの伸び具合:5
(2-1).良質な味わいの要素
④コク・ボリューム感:4
⑤甘味の豊かさ:4.5
⑥苦味・酸味の質とバランス:4
(2-2).良質な香りの要素
⑦鼻で嗅いだ香り(アロマ):4
⑧口内で感じる香り(フレーバー):4.5
⑨後味のクリアさ/余韻の長さ:4.5
(3).個性/面白味
⑩店の主張・オリジナリティ:4
⑪生豆の個性・特徴感:5
⑫飲み頃の温度帯の長さ:4
▼総評として・・・
率直に、今までこの店については良い店であることは認めつつ、何となく物足りなさを感じていたために訪問頻度がそれほど高くなかった。
ただし今回のテースティングを行ってみて、それはこの店の問題ではなく、私自身の抽出のスキルが足りなかったことにより、この店の焙煎技術を正当に評価できていなかったのではなかろうか・・・という気さえしている。
エキスの出る長さであったり、オカラの味(特にネガティブな味が出ていないか)であったり、そういう部分まで意識が及ばずに漫然と点てていれば、もう少し酸味の撚れた、しょっぱいような味になってしまっていただろう。
この2~3年ほどの間に私自身の抽出スキルが上がったことにより、この店の良さを深く理解できるようになったわけで、飲む側の技術の向上も必要だなと、そんなことを改めて感じた次第である。
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ぺるとの
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